タラヌイもこもこインレイ

「タラヌイ」とは、ニュージーランド南部にあるタラヌイ牧場のこと。インレイは、生地の編み方の名前で、毛の魅力がたっぷりと出るよう仕立てました。

というのも、この糸は羊そのものの毛色を生かし染色をしていません。「有色の羊」といって、真っ白ではないブラウンや、ベージュ、手を加えていない自然な羊の色なんです。人間と同じように、毛の色も羊それぞれに個性があります。
---
80年代の市場では、染めやすい白い羊が求められ、有色の羊が忌み嫌われていました。
そこで、天然の有色羊を守るため毛質の改良に取り組んだのがタラヌイさんです。

冬の雪山、昼夜寒暖差の大きい気候、広々とした草原、天然色の羊たちは健康的に育まれ、艶とふくらみ、弾力に富む良質な糸となりました。

その良さを最大限に引き出すインレイ編みの「地糸」には、色を効かせて、シンプルなアウターを仕立てました。

現在でも圧倒的に白い羊が占めるなか、天然色は染めの必要も、加工も必要ないため汚染排出や土壌汚染の観点からも希少な糸となっています。
そのため、夾雑物(きょうざつぶつ)とよばれる植物片や種子などワラ状のものが混在しています。これは、取り除くための薬品処理をしていないからこその特徴でもあります。
---
じつは、この夾雑物、今よりずっと沢山入っていました。日常で着るには少し気になるほどだったので、よく目立つ欠片はひとつひとつ、人の手で取ってもらうことに。
タラヌイさんの理念と、日本での丁寧な手仕事、パラスパレスのデザイン。生地のひと目ひと目のように、想いが連なったコートです。
---
ブラウンとベージュの2色展開です。
夾雑物は、ブラウンの方が目立ちやすい。ちらちらとのぞくブラウンの地色はピンク、ベージュの地色はオレンジです。