秋の七草を並べた、ふんわりとした表情が魅力のスカート。
こちらの素材は、群馬県桐生市で作ったもの。
桐生市は「西の西陣、東の桐生」と呼ばれる、日本を代表する機(はた)どころです。
古くから養蚕が盛んな地域で、絹織物や刺繍が有名な産地、
近隣地にある世界遺産「富岡製糸場」も絹糸を扱っていた工場で、明治時代に栄えた産業です。
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この生地は「紋紙」という穴が空いた紙で針の上がり下がりを制御し、
模様を織り出すジャガードという技法で織られています。
たくさんの糸を緻密に織るので、1日に40mほどしか織れません。一般的なシャツ生地の5分の1ほどのスピードです。
織が終わると、糸を切って柄を表現する、カット工場にバトンタッチします。
織り上がった生地。糸がヨコ方向に渡っています。これを切って柄をあらわします。
特注の道具を使って、主に人の手でカットしていきます。
ザッザッと良い音を立てながら作業は繰り返し行われます。
切り残しはないか、生地を傷つけていないか、目を光らせながら集中力も必要な高度な技術です。
できるのは一日に50m程度、スカートが30着くらいとれる量です。
仕上げにマシンで長さを揃えて出来上がりです。
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生地ができると、次は染色をします。今回の色は、ラベンダーとグレー。
染色をすると、糸の切れ端がくったりとしてふんわり膨らみ、より柔らかい雰囲気に。
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手仕事が生きる、特別な素材をおたのしみください。